こころみるものたち

喪失感と向き合う

多田夏帆・大槻竜也・内田佐和

東日本大震災、スマホとSNSの登場、そして新型コロナウイルスの流行。度重なる災害と人災。私たち「若者」が10代を過ごしたこの10年間に日本、そして世界は大きく変化しました。

この10年間における情報技術の革新や、逆らえない不条理は、今まで隠されていた人間社会の諸問題を白日に下にさらし、私たちの精神性に様々な面で影響を及ぼしています。

地震が来ても、豪雨災害が起きても。社会の変化にも、変わらない社会にも。どこかの誰かや、自分が苦しんでいる時にも。「またか」としか思わないのです。

私たちは、何かがすっぽりと抜け落ちてしまったような感覚-喪失感―を抱えるまでに、何を経験し、何を感じてきたのでしょうか?