ありのままがままならない

大須賀亮祐・山下新之輔・武井楓

「ありのままの言葉」は存在するのだろうか？SNSで映画の感想を見る。膨大かつ多様な情報量に『自分の言葉』への虚無感が生まれる。それは語りを生み出す労力を削ぎ、気が付けば発する言葉は無意識のうちに剽窃まみれになっている。

そして対話の相手の剽窃元に気が付いたとき、自分の言葉が剽窃に過ぎないこともまた見抜かれているのではないかという恐怖に包まれる。このスパイラルは語ること自体の忌避感となり、しゃべることすらもままならない。