日本の感情で今何が?
ー“感情規制法”の真実ー
鵜飼梨央・小野泰雅・豊川楓華・前川優花
いかなる時も「適切」な感情で過ごすために、自身の心のコントロールが求められる社会。これまで極めて私的なものであった感情が、社会の生産性向上のために利用され始めている。 2040年、「感情規制法」が制定された。怒り、悲しみといった「不適切感情」を表出する人間の、公共圏への出入りを規制するこの法律は、感情の抑制ができないことで定職に就けず、公共空間からも排斥された感情ホームレスを生み出すことになった。怒りの滲む彼らの声に、慎重に耳を傾けてみよう。本展示は、そんな「もしも」の近未来のドキュメンタリーを通じて、感情の抑圧と、その「適切」な表出によって価値づけられる現代社会の体制を問い直す試みである。