むすんでひらいて
入江勇帆・ハクウコウ・岡田真奈・荻原きらり・シュウシュエイ
私たちは感情を言葉によって認知している。楽しいという感情を認知できるのは、我々の言語世界に「楽しい」という言葉が存在するからだ。多様な言葉によって、私たちは豊かな感情を実現している。
しかし、「やばい」「エグい」「エモい」といった曖昧な言葉が飛び交う現代では、私たちの感情は次第に豊かさを失いつつある。あらゆる感情を「やばい」という一言で片付けてしまうことで、私たちは無意識のうちに多様な感情を「やばい」という感情に均一化してしまっている。
本展示ではこうした曖昧な言葉を見つめ直し、その背後にある溢れ落ちた感情に目を向ける。この過程を通して、私たちが本来持っている感情の豊かさについて再認識するきっかけとなることを願っている。