こっくりさん。紙の上の十円玉を複数人で押さえ、「こっくりさんこっくりさん」と呼びかける。それぞれの指先の、意図しない動きが同期するとき十円玉が動く。そこに、目に見えない者の気配やメッセージを感じ取る。
現代において私達は離れていてもオンラインでやりとりすることができる。しかしそこには、何か相手の気配というようなものが欠けている。「こっくりさん」は、そういう気配そのものと言えるかもしれない。
今こそ、こっくりさんをやってみたい。ところが、飛沫感染を避けるべく人との距離を保つと、この「こっくりさん」は行えない。しかしこっくりさんを「自粛」するよりは、今考えられうるアップデートを試みたい。